「思考は現実化する」(ナポレオン・ヒル著)という本に、91センチ手前であきらめて大富豪になり損ねた男の話が紹介されています。時代はゴールドラッシュの頃のアメリカ西部での話。一攫千金を夢見てたくさんの男たちが西部へ西部へと集まってきていました。その中の一人の男の話です。スコップとツルハシだけで1ヶ月以上も掘り続けていた彼は、金鉱脈を掘り当てるという幸運に恵まれました。早速借金をして機械を購入し本格的に掘削を始めたことは言うまでもありません。良質の鉱石だったので彼は瞬く間に借金を返し、さあ今から儲けるぞというときになると、金鉱脈がなくなってしまいました。掘っても掘っても出てくるのは土くれや岩石ばかり。とうとう彼は一攫千金の夢をあきらめて機械を二束三文で屑鉄屋に売り払って、故郷へと帰っていきました。
機械を手に入れた屑鉄屋の男は、鉱山技師に試しに調査を依頼したのです。するとどうでしょう。前の男が掘り進んであきらめた地点からわずか91センチ深いところに新たに大きな金脈があることが分ったのです。その屑鉄屋の男がその後大富豪になったことは言うまでもありません。
最後まであきらめないことがいかに大事であるかをよく表した話ですね。世界的な大発明家として人類に大きな貢献をしたトーマス・エジソンの言葉に、「私は実験において失敗など一度たりともしていない。これでは電球は光らないという発見を今までに、2万回してきたのだ」というのがありますが、彼は電気を使った明かりを夢見て、2万回もの失敗にもめげずその夢を捨てなかったのです。そして電灯が発明されました。もう駄目だとあきらめたときが失敗なのです。あきらめない限り失敗はない。だってそれはこの方法では成功しないということの発見なのですから…。
前回、願いを実現する方法があることを話しましたね。復習すると、それは「願う」「信じる」「感謝する」という3つのプロセスがありこれを実行すれば願いは叶うという内容でしたね。しかし多くの人はその願いがなかなか実現しないといってあきらめてしまうのです。あと91センチまで結果は近づいているのに…。
それは多くの人が表面だけしか見えていないからなのです。表面の現象だけ見て「なんだ、やはりだめじゃないか。こんな夢自分には無理だ」と思ってあきらめるのです。するとその君の思いが実現して「駄目」な結果になり「君にはその夢は無理だった」となるのです。
表面ではなくその奥の目に見えない本質を信じるのです。現象の奥に本質がある。その本質こそが実体(ホンモノ)で、それが時間を経て現象(表面)にあらわれてくるのです。その本質の部分では、君が「願って、信じて、感謝した時」既に実現しているのです。だから必ずそれは現象化するのです。昔から表面しか見えない人を凡庸(ぼんよう)の人といい、本質を見てあきらめない人を非凡の人といいます。勇志の生徒諸君はみんな「非凡の人」になっていただきたいのです。
一寸法師の話しの中で出てきたように「やはりだめだ」というあきらめの感情は黒鬼(あきらめや絶望などの感情を擬人化して表現されています)がお姫さま(君の今の感情)を襲ってさらっていこうとしている状態です。黒鬼は打ち出の小槌を持っていてそれを振って、あなたの望みをかなえましょうといって「こんな夢自分には無理だ」という結果を実現させているのです。
あきらめないというのは、良い結果はすぐそこまで来ていることを知ることなのです。あと一歩でゴールというところで諦める人は、そのゴールが見えていないのです。見えていたなら諦めてそれまでの長い道のりを無駄にするようなことはないはずです。ゴールが見えるという意味は、本質において既に君の目標は実現していることを信じるということなのです。
さあ、4月から新しいスタートです。選手は君たち一人ひとりだ。先生たちは日本1の名コーチぞろいです。校長の私は応援団長だ。全力でコーチし応援するからな。
さあ! 今からの1年間のそれぞれのゴールを目指して 出発しよう!!
「ヨーイ ドン」