式辞
入学生諸君、入学おめでとう。
まずは心からお祝い申し上げます。
全国に多くの通信制高校がある中で、ご縁をいただいて勇志国際高校の仲間となっていただいたこと、大変嬉しく思います。
当校は、平成十七年四月に開校して、今年度八年目となります。今までの七年間はまさに学校としての基礎作りの時期でありました。お蔭様でしっかりした磐石の基礎を築くことが出来ました。
今からは、その基盤の上に、卒業生のみなさん、そして在校生のみなさんが、母校として一層誇りに思える日本一の学校をみんなで築いていきたいと思っています。
さて、入学生のみなさん、勇志国際高校はあなたたちが経験してきた学校と明確に違う点がいくつかあります。
その特徴の第一は、生徒指導の基本です。生徒指導の方法に二通りあります。その方法の一つは、生徒の欠点を指摘して矯正する方法。二つはその逆で生徒の長所を認めて伸ばす方法です。
勇志の方針は後者の方です。欠点を指摘する方法はとりません。
この方法は明らかに間違っていると思っています。人は誰でも欠点を指摘されると嫌な気持ちになります。そして自分を理解していないと思って心の扉を閉ざすのです。
反対に長所を認められると、誰だって嬉しいに決まっています。そして認めてくれたその人は『自分を理解してくれている』と思って心の扉を開くのです。
そして認められた長所はどんどん伸びて、欠点はいつしか消えていきます。
しかし、欠点ばかり指摘されると、その欠点はさらに大きくなって他の長所まで消えていくのです。
多くの卒業生や在校生諸君が勇志の先生は他の学校の先生たちとは違う』と評価してくれていますが、その意味はまさにこの指導方針の基本にあります。
特徴の第二は、日本人の誇りを取り戻す教育に最大の重点をおいていることです。戦後教育がおかしくなった最大の原因は、日本の正しい歴史と尊い価値観を否定し、その結果として日本人としての誇りを持てない若者を育ててきたことにあります。
日本人でありながら日本に誇りをもてないことほど不幸なことはありません。なぜならそれは、自己否定につながるからです。自分に対しても誇りを持てなくなるということです。
特徴の第三は、各教科は知識の詰め込みではなく、その教科にいかに興味と関心を持たせるかにポイントを置いた指導に徹している点です。それは日常の添削指導、ネット授業、そしてスクーリングの授業などの全てにわたっています。そのために各先生たちは、常に工夫を重ね改善に改善を重ねてきました。
他にもたくさんありますが、以上3点にわたって勇志国際高校の特長についてお話いたしました。
皆さんから、勇志を選択してよかったと、実感していただける日が必ず来ると確信しています。
保護者の皆様、お子様のご入学おめでとうございます。
明治の初めに始まった現在の学校制度が今、大きな転機を迎えているといわれています。つまり、同じ世代の若者を教室に押し込んで、教壇から同じ内容で同じレベルの内容の知識を教えるという方法では、時代の変化に対応できなくなってきたのです。
若者の教育ニーズとレベルは、千差万別なのです。くわえて現代社会が若者から夢と希望を奪い、多くの若者が孤独という闇の中でもがき苦しんでいます。その闇から救い出すのもまた、学校の大きな使命になってきたのです。
しかし画一的なこれまでの学校システムでは、生徒個々へのいわゆる個別対応は不可能なのです。
勇志国際高校は、その新しい時代のニーズに応えることを使命として誕生しました。生徒一人ひとりのニーズとレベルに応じた教育と、一人ひとりに応じた心のケアーを可能にしたのです。
当校はその点に開校当初から知恵を絞ってまいりました。どこにも負けない優れたシステムと可能性を築くことが出来たと自負しています。
保護者の皆様に私からお願いしたいのは、以上の趣旨を踏まえていただいて、通信制高校であることへのコンプレックスがもしおありならば、それを改めていただきたいということと、そして勇志国際高校とは時代の最先端にあって、時代のニーズに応えうる唯一の学校であるという誇りを持っていただければということであります。
最後になりましたが、ご来賓の皆様には、公私共にご多用にもかかわらず、しかも遠路ご参列を賜りまことに有難うございました。
お蔭様で年々、このように充実した入学式が実施できる学校となることができました。
以上 日ごろからのご協力に感謝を申し上げ、校長式辞といたします。
入学生のみなさん、スクーリングで会う日を楽しみにしています。
平成二十四年四月二十一日
勇志国際高等学校 校長 野田将晴